エンジニアとして働いていると、「もっと単価を上げたい」「収入を安定させたい」と思う瞬間が必ず訪れます。しかし、技術力が上がれば自然と単価も上がる…というほど単純ではありません。市場における価値の上げ方を理解し、戦略的に動く必要があります。本記事では、エンジニアが単価を高めるための具体的なステップを解説します。

1. 技術力の“幅”ではなく“深さ”を作る

単価を上げるうえで重要なのは、「なんでもできる人」ではなく特定の領域で強みを持つ人になることです。
フロントエンド・バックエンド・インフラなど広く浅く触れることは大切ですが、単価を押し上げるのは“深さ”。
「Reactに強い」「AWS設計が得意」「高速なAPI開発ができる」といった専門性があると、市場価値が明確になります。

2. 技術より“成果”をアピールする

単価交渉の場で響くのは、「何ができるか」よりも「何を解決したか」です。

• サイト表示速度を改善してCVRを5%向上
• インフラコストを年間50万円削減
• 複雑な要件でも納期通りにリリース
• PMとしてチームの生産性を向上

このように、成果を数字で語れるエンジニアは評価しやすく、単価も上げやすい。
逆に“できることリスト”だけでは、単価の根拠として弱くなります。

3. コミュニケーション能力を磨く

実は単価を上げる最大の武器はコミュニケーション能力です。
高単価案件ほど、技術だけでなく「安心して任せられる人」を求めています。

• 要件のすり合わせを正確に行う
• トラブルが起きたらすぐ報告する
• クライアントの意図を汲んで提案できる

こういう人は“管理コストが低い”ため、単価が高くても選ばれます。
逆に「技術は高いけど扱いづらい」人は単価が上がりにくいのが現実です。

4. 仕事の取り方を変える

スキルを磨くだけでなく、案件の入り口を変えることも有効です。

• エージェント依存 → 直契約へ
• 受託の下請け → 一次請けへ
• 1人での作業 → PM・リードとして参画
• 工数契約 → 成果報酬型・保守契約

特に「直契約」は単価アップに直結します。同じ作業でも中間マージンが減る分、そのまま手元に残る金額が増えるためです。

5. 自分の価値を定期的に見直す

単価が上がるタイミングは、自分から働きかけない限り訪れません。

• ポートフォリオや実績の更新
• 市場相場のリサーチ
• 年1回は単価交渉の機会を作る

“相場”は自分で見に行くものです。「今の単価が妥当なのか？」を常にチェックすることで、自然と単価を上げる動きが生まれます。

まとめ：単価アップは戦略で決まる

単価を上げるには、技術だけを磨く時代はもう終わりです。
専門性、成果、コミュ力、仕事の取り方、交渉力。
これらを総合的に高めていくことで、収入は確実に上がっていきます。

結局、単価アップとは「自分を適切に評価してくれる環境をどれだけ作れるか」。
技術を磨きつつ、戦略的にキャリアを積んでいけば、エンジニアとしての市場価値は確実に高まっていきます。